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この国のかたち〈2〉 (文春文庫)
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| ジャンル: | 歴史,日本史,西洋史,世界史
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この国のかたちは、司馬が読者に課した宿題
第二巻は88年から89年の約2年分を収録している。
当時司馬は65から66歳。
あとがきにこうある。
「この国の習俗・慣習、あるいは思考や行動の基本的な型というものを
大小となく煮詰め、もしエキスのようなものが取り出せるとすればと
思い「かたち」を取り出しては大釜に入れているのである。選ぶこと
と煮詰めることは私のしごとながら、もしよき読者を得るなら、そこ
から本質的なものをとりだしてもらえるのではないか。」
取り上げられた話題は、教育や仕事や宗教、自然との関わりなど多岐に渡
り、一見とりとめもない。しかも、司馬によってきっちり煮詰められ、そ
れぞれが見事に味付けされているので、どれをとっても完成された美味な
る一品料理である。満足してしまう。
それだけに、これら完成された数々の一品料理から「日本のかたち」を読
者が自身が取り出すのは、相当な努力を要する。
この年齢にもなれば、司馬にはもう答えはわかっていたはずである。
それをあえてこういった形にして、読者に対する謎かけのような形にして、
私たちの前に「さあ、召し上がれ」と出してくれる。
この時期、司馬はもう小説を書くことをやめていたし、
話題的にも過去の作品と重なるところが多いため、
本シリーズは司馬小説の余禄もしくは解説といえなくもない。
が、筆者にはまた、司馬が自身の小説の読者に対して出した
宿題のような気もするのである。
いつかそれの答えがわかるまで、何度も読み直してみたい。
日本の文化を知る
第1巻に比べ、時代的には古代から江戸くらいまで、エピソードも文化や宗教についての記述が多くなった印象を受けました(1巻は近代の国家運営、特に統帥権というものについての批判が強烈だったので)。
私が気に入ったのは、「金」「職人」「スギ・ヒノキ」の項です。
文化的な側面から「この国のかたち」を考えるのも、面白い作業だと感じました。
新しい憲法の枠組み
司馬氏が亡くなられた際、NHKで井上ひさし氏を招いて追悼番組をやっていた。その中で井上氏は本シリーズに触れ、「司馬氏は日本の新しい憲法の枠組みを作ろうとしている」と評していた。ナルホドと思った。司馬氏は自身も従軍したあの戦争(の原因を作った人々)に関する嫌悪感を隠さず、それに反発するかのように主に明治維新時代の人物を中心に小説を書いていた。本シリーズもその路線の延長かなと思っていた私にも、ようやく本シリーズの"かたち"が見えてきた。
江戸時代の町人文化、郷士という身分、日本的仏教、神道、13世紀の写実精神、大久保彦左衛門的生き方、明治時代の汚職の無さ、職人への尊敬(ヨーロッパの階級社会との対比)、杉・檜が持つ美的感覚、そして穏やかながらも統帥権の話も出て来る。
日本が本来持っているこうした美しい精神を新しい日本の土台にしようとする試みであろう。それも文章に性急さは無く、悠揚迫らぬ筆致で書いてあるので読む方も知らず知らず作者の世界に引き込まれていく。読む者を清清しい気分にさせてくれる佳作。
プチ日本学を学んで、自分なりの日本観を身につける。
営業カバンに入れて、移動時間の車内の細切れ時間を使って
読み終えました。
戦国時代、江戸時代、明治時代の習慣・宗教などについて勉
強になります。日本人である自分はどのようなバックグランド
を持って生まれてきたのか、日本という国がどういう国なのか、
こういったことを自分で考える、いい本だと思います。
統帥権だけじゃないよ
”この国のかたち”は,統帥権の話しにばかりこだわっているわけではありません.私としては,特に仏教,儒教と神道にまつわる,日本での起源や,発展のお話から,”日本人のかたち”が浮かび上がるようで,本当に面白いと思いました.”あのころの天皇の存在はそれほど大きいものじゃあなかったんだよ”と大正生まれの,元下仕官の,白髪のおじいさんが,遠慮がちにつぶやいている姿が浮かんできます.
文藝春秋
この国のかたち〈3〉 (文春文庫) この国のかたち〈4〉 (文春文庫) この国のかたち〈1〉 (文春文庫) この国のかたち〈5〉 (文春文庫) この国のかたち〈6〉 (文春文庫)
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